1.君の銀の庭
作詞:梶浦由記
作曲:梶浦由記
そっと開いたドアの向こうに
壊れそうな世界はある
朝が来るのか
夜になるのか
迷いながらひかりは綻びて
声が呼ぶまではもう少し遊ぼう
花のように廻る時を繰り返し
夢はこの部屋の中で
優しい歌をずっと君に歌っていた
何がほんとのことなの
一番強く信じられる世界を追いかけて
君の銀の庭へ
道に迷ったあの子が今日も
一番早く帰り着いた
正しさよりも明るい場所を
見つけながら走ればいいんだね
幼い眠りを守りたい番人
大人になる門は固く閉ざされて
君は気付いていたかな?
ほんとのことなんて
いつも過去にしか無い
未来や希望は全て
誰かが描く遠い庭の
我が侭な物語
まだ誰も知らない
ひたむきな小鳥の声で歌う子供は
何を隠し何を壊し
燃える時計
秘密めく花の香り
「ここにいるよ」
静かに寄り添って
何処にも行かないで
窓辺で囀って
何を失くしたって
夢はその腕の中に
優しい人の嘘も嘆きも
閉じ込めていた
何か足りない心で
光を纏い飛んで行こう
少女のかたちをして
終わらない始まりへ
ほんとうの終わりへ
静かに寄り添って
何処にも行かないで
窓辺で囀って
何処にも行かないで
2.misterioso
作詞:梶浦由記
作曲:梶浦由記
彼方へ
君の手を取り
心だけが知ってる場所へ
misterioso 舞い上がるよ
この星が見た夢のように
輝く空
遠くで呼んでる
憧れの残した木霊(エコー)
哀しみ棚引かせて
道の無い未来へ急ぐよ
新しい頁を開き
世界は君を待ってる
明るい心で
全ての時を行けるなら
何処かへ続いてると
信じて
空は蒼く高く
幼い風が光る
小さな鈴のように
まだ見ぬ不思議の唄
長過ぎた夜の果てに
夜明けを呼び覚ます chorus
どんなに儚くても
始まりの時を告げて
世界はまだ君のため
歓びを隠しているから
misterioso 舞い上がるよ
追いすがる涙の向こうへ
眩しい
明日へ
3.追憶
作詞:梶浦由記
作曲:梶浦由記
仄暗い
霧の中消えて行く
影を見送る
手を振った奇麗な曲線(カーブ)が
いつまでも揺れてる
美しい朝は
誰かを送る為にあるのだろう
胸を啄む甘い宝石を
また一粒残して
追憶の
ざらりとした手触りに
指を這わせて
きらめいた
真昼の星を静かに
夜へ落とそう
戯れる記憶の中
何も届かない
永遠とよく似た
夢の砦に
「あの日」の風が吹く
額を抜けて行く
磨かれた時間の罠
追憶の深く
もう何もいらない
顔の無い声と
瞼を滑る
見えない指先
優しさだけを
繋ぎ合わせた貴方は
名前も持たない
瓶の中にある空は
もうすぐ日暮れて
黄金(きん)色の吐息を
ただ繰り返す
一番幸せな
時を探したら
欲張りな子供は
何処まで還るのだろう
森のほとりにある
楡の木の下で
愛の仕草だけを
ただ繰り返す
夏の風過ぎ行く
額を抜けて行く
音の無い空から降る
ことばの無いうた
もう何もいらない
美しい記憶の国で
追憶の宴を始めよう
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